Automated Knowledge Graph Construction using Large Language Models and Sentence Complexity Modelling
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 論文ID | P43 |
| 区分・分類 | 論文・知識グラフ構築 |
| 著者・所属 | Sydney Anuyah(1), Mehedi Mahmud Kaushik(1), Krishna Dwarampudi(2), Rakesh Shiradkar(3), Arjan Durresi(1), Sunandan Chakraborty(1)/(1) Luddy School of Informatics, Indiana University, Indianapolis、(2) School of Science, Purdue University, Indianapolis、(3) Department of Biomedical Engineering and Informatics, Indiana University, Indianapolis |
| 発表先 | Conference on Empirical Methods in Natural Language Processing (EMNLP 2025) |
| 発表日 | 2025-11 |
| 引用数 | 4(OpenAlex 2026-10-06時点) |
| 言語 | 英語 |
| URL | https://doi.org/10.18653/v1/2025.emnlp-main.783 |
| 論文/pdf/P43.pdf | |
| 読んだ範囲 | 全文(25ページ、付録含む。図は画像のためキャプションと本文で補った) |
論文タイプ
新技術。共参照解決と文の構文分解を組み合わせたKG構築パイプライン CoDe-KG と、付随する注釈データセットを新たに提案しているため。
研究の目標
- 背景:分野ごとに構造・文体・語彙が違う大量の非構造テキストは解析が難しい。既存の自動KG構築パイプラインは利用者のプロンプトに大きく頼るか、ノイズの多いデータに弱い。学術文は単文が少なく、complex・compound・compound-complex 文が多い(学部生の解釈誤り率は compound-complex 44.54%、単文 10.13% という先行研究を引用)
- 到達点:複雑な文を単文に変換してから LLM で関係抽出すれば、データを選ばずオープンソース LLM で文単位のKGを作れるかを確かめる
- RQ1:文のモデリングで他手法に匹敵するKGを作れるか
- RQ2:オープンソース LLM で生テキストから信頼できるKGを作れるか
技術的なやり方
データ:PubMed の肺がん関連要旨 7,500件(2020〜2025年発表、無作為抽出)。比較用ベンチマークは REBEL、WebNLG+2020、Wiki-NRE、CaRB。
| 段階 | やること | 選定・比較 |
|---|---|---|
| 1. Coreference Resolution | 190要旨で専門家4人(生物系2・言語系2)がペアで金標準を作成(Cohen's κ 0.74)。プロンプト×モデルを総当たりで評価し、最良の組合せを全要旨に適用 | 本文では COT+FICL を採用と記載。表2のオープンソース最高は Mixtral-8x7B-Instruct(FICL) |
| 2. Sentence Classification | 文を simple/complex/compound/compound-complex/incomplete の5類に分類。人手注釈データで分類器を学習 | BERT 系6モデル、小型 LLM 2つ、GPT-4o を比較 |
| 3. Converting Sentences to Simple | complex・compound・compound-complex 文を単文に書き換える。類ごとに最良のプロンプト×モデルを選ぶ | プロンプトは GIP/FICL/CoT/CoT+FICL を比較 |
| 4. Relationship Extraction | 元から単文の文+変換後の単文から (entity1, relationship, entity2) を抽出し、有向ラベル付きエッジとしてKGに組み立てる | CoT+FICL プロンプト、Mixtral-8x7B-Instruct-v0.1 |
公開資源:文の複雑さ分類データ 7,248行、共参照金標準 190要旨、文変換データ 900件(3類×300件)、トリプル金標準 398件、生成トリプル 150,000件超。
結果
- 共参照解決(CoNLL F1):オープンソース最高は Mixtral-8x7B(FICL)57.88%。全体最高は ChatGPT o4-mini-high(FICL)の約63%
- 文分類:BERT-Large が正解率 87.68%・macro-F1 86.69%。GPT-4o は 80.30%・76.14%
- 全65,175文の分類結果:complex 42,282、compound 4,942、compound-complex 2,366、simple 13,465、incomplete 2,120
- 単文への変換(各300文)
| 変換元 | 最高のモデル | Macro Avg | Exact-Match |
|---|---|---|---|
| compound | Llama-3-8B | 99.78% | 98.00% |
| complex | Llama-3.3-70B | 99.59% | 98.67% |
| compound-complex | GPT 4o-3 | 94.10% | 81.67% |
プロンプト比較では4モデルすべてで CoT+FICL が最良(Llama-3-8B の Macro Avg は GIP 45.81% → CoT+FICL 99.78%)
- 単文からの関係抽出(100文、正誤判定):Mixtral-8x7B が正解率 99%
- 公開ベンチマーク(表7)
| REBEL | WebNLG2 | Wiki-NRE | CaRB | |
|---|---|---|---|---|
| F1 macro | 65.78% | 75.90% | 60.20% | 62.61% |
| F1 micro | 62.94% | 75.67% | 58.84% | 61.54% |
| 論文が挙げる SOTA | macro 51.0%/micro 74.0% | 93.6% | 91.48%(GenIE) | 67.7%(DetIE) |
- アブレーション(23記事、人手トリプル398件)
| 構成 | Precision | Recall | F1 |
|---|---|---|---|
| CoDe-KG 全体 | 92.0% | 92.9% | 92.4% |
| 共参照解決なし | 80.6% | 74.6% | 77.5% |
| 文分解なし | 74.6% | 46.2% | 57.2% |
| 両方なし | 76.8% | 42.7% | 54.8% |
| DeepSeek R1 | 93.5% | 78.6% | 85.4% |
| ChatGPT 4.5 | 99.58% | 59.55% | 74.53% |
| ChatGPT 4o | 98.1% | 52.8% | 68.5% |
| NotebookLM | 100% | 16.83% | 28.82% |
- 誤りの内訳:spurious と missing の組合せ 73%、spurious のみ 11%、missing のみ 9%、関係種別の取り違え 7%
- 原文内の不一致:要旨は「REBEL で従来 SOTA より8ポイント向上」「Wiki-NRE と CaRB で同等以上」「単文変換で exact-match 最大99.8%」と書くが、本文の表・考察は上の数値(Wiki-NRE・CaRB は SOTA 未満、99.78% は Macro Avg)。評価件数も、データ節は REBEL・Wiki-NRE 各1,000件・WebNLG 1,165件、考察節は各200件と書いている
限界・課題
- 共参照解決が弱い。長く密な要旨での改善が実用化の前提
- オープンソースモデルだけでは失敗することがあり、関係抽出のスコアを下げる。今後は欠落・不整合をフィードバックループで検査するエージェントを導入する
- プロンプトだけを検討し、PEFT などのファインチューニングは未実施
- 品質評価を人手注釈に大きく頼っている。今後はスクリプト評価を増やす
- 計算コストが高く、CoT+FICL は推論時間とトークン消費が大きい(一度きりのKG構築なので運用は可能と主張)
- 評価は科学文献とベンチマークのみ。ニュース・法律文書・SNS では未検証で、くだけた文への汎化は不明
- 考察では、LLM は補助があっても人間ほど関係を読み取れず、"is" のような単純な関係に寄りがちと述べている
要点
複文・重文を単文に分解し、共参照を解決してから LLM でトリプルを抽出する、オープンソースのKG構築パイプライン CoDe-KG。 肺がん要旨の自前評価では、文分解によって再現率が 46.2% から 92.9% に上がる。一方、公開ベンチマークでは REBEL の macro-F1 以外は既存 SOTA に届かない。