SozoWorks|調査レポート付録

韓国・海外のリーガルテック事例

補足事例と調査対象

調査基準日:2026年10月4日|文章改訂:2026年10月5日|本文へ戻る

本文では、専門家・相談員の仕事と、一般の人・事業者の困りごとを、海外のサービスがどう助けるかを説明した。本付録には、関連する補足事例と、調査対象の掲載箇所をまとめる。

付録A

目的の近い補足事例

リーガルズーム:法律文書の要約

米国のリーガルズーム(LegalZoom)は2023年9月、ドック・アシスト(Doc Assist)の試験提供を発表した。発表で説明された機能は、アップロードした文書の要点や重要条項の整理、文書に応じた質問の提示である。主に中小事業者が契約などを理解するための補助として参考になる。現在の提供状況は未確認。[25]

サンディ:裁判所の案内と人の窓口への引継ぎ

米国フロリダ州第11司法巡回区のサンディ(SANDI)は、2022年に始まった案内サービスで、当初は質問集と自然言語処理を使い、必要に応じて人の窓口へ引き継いだ。生成AIへの移行は後年のベンダー発表にあるが、当初の窓口対応件数の減少を生成AIの効果としては扱わない。案内の自動化と、回答を自由に生成するAIの導入を分けて評価する必要がある。[26]

ロクサーヌ:住宅修繕に用途を限定

ニューヨーク市の住宅裁判支援団体が案内するロクサーヌ(Roxanne)は、賃借人が住宅修繕について情報を得るためのAIアシスタントである。利用する地域と困りごとを限定した事例として参照できる。紹介記事にある目標精度は、達成した実績としては使っていない。[27]

韓国司法府:裁判支援AI

2026年2月の大法院発表では、内部基盤で構築した裁判支援AIの試験公開を説明し、回答に関連判例・法令を添えつつ、不正確な内容が含まれうることを示している。司法内部の判断支援であり、一般利用者向けの自動法律相談の実績としては扱わない。[28]

エルボックス:調査から文書作成までの画面を統合

エルボックス第3版の更新案内は、検索、AIへの質問、文書作成の入口と、事件単位の資料管理を統合する構成を説明している。根拠文書を見ながら業務を進める画面設計の参考例である。画面や機能の統合を、法律回答の正確さの改善と同一視することはできない。[29]

付録B

調査対象と掲載箇所

事例調査記録24件のうち、本文に17件、付録のみに5件を採用した。2件は今回の掲載対象外とした。付録にはDoc Assistや韓国の動向など、本文掲載事例の補足説明も含む。同じ会社の異なる時期・機能を別の記録として含むため、24社や24製品という意味ではない。学術研究や規制文書等は別途、本文の出典として示している。

表A 事例調査記録の採否
事例扱い掲載箇所・理由
リア(米国の法律扶助団体)本文採用01・03・04
情報へのアクセス支援と公開後監査
ディーアール・アンド・アジュ(韓国)本文採用03(詳述は付録D)
中断・懲戒と異議申立て
ネバダ州裁判所の案内サービス本文採用03・04
監査での有用性と有害性
ロー・アンド・グッド(韓国)本文採用03(詳述は付録D)
対立の可能性を考慮した自主的転換
スーパーロイヤー(韓国)本文採用01・02・04
専門家の調査・起案支援、引用の確認と法律書籍の利用
キャディ(英国の市民相談団体)本文採用01・02・03・04
相談員の回答支援と回答前の上司確認
スーパーロイヤーの判例検索連携本文採用05
引用関係・争点・後続判断
エルボックスの根拠表示・解説利用本文採用01・02・04
論点整理、引用文書の表示と解説の利用
ローフォームの自動文書作成をめぐる訴訟付録採用付録D
定型書式の入力をめぐる処分取消し
ガーフィールド・ロー(英国)本文採用01・03
事業者の債権回収支援・依頼者承認・弁護士の責任
エルボックス第3版の構成更新付録採用付録A
業務の入口と事件単位の管理の統合
ドゥーノットペイへの米当局の命令本文採用04
広告表示と根拠の問題
ロケット・ロイヤーの専門家接続本文採用01・03
契約理解・文書作成支援と必要時の専門家接続
リーガルズームの文書要約本文採用01・03(補足は付録A)
契約などの文書の理解支援。全体図の事業者列に採用
ビーグル・プラス(カナダ)本文採用01・03・04
一般向けの情報理解と開発時の質問別試験
アラスカ州裁判所のエイバ本文採用01・03・04
手続案内・回答分野・情報源・出典の明示
ブラジルのレックス・エムエル本文採用05
生成AIではなく情報基盤の参考事例
韓国司法府の裁判支援AI付録採用付録A
司法内部の支援の参考事例
韓国法制処の国民向け法令検索計画本文採用03
2027年7月の公開予定
韓国の公務員向けAI法令アシスタント本文採用02
職員向けの試行と中間検討資料
ミズーリ州の賃借人支援の受付判定対象外付録Bに採否のみ
相談受付・振り分けに関する事例。本稿は回答準備・情報案内・文書作成・手続支援の事例を掲載
フロリダ州のサンディ付録採用付録A
当初は質問集と自然言語処理による案内
レントアベンションの賃借人支援対象外付録Bに採否のみ
既存調査で生成AIの利用を一次資料から確認できていない
ニューヨーク市のロクサーヌ付録採用付録A
住宅修繕に用途を限定した案内

対象外2件の確認先:ミズーリ州の受付支援事例、レントアベンションのサービス説明。

付録C

この調査からは判断できないこと

韓国の懲戒・訴訟の一部は報道と保存済み調査記録に依拠する。法令・判決原文を確認した法的意見書ではない。原典本文を確認できていない資料は、各出典に確認範囲を記載した。

付録D

韓国の一般向けサービスをめぐる経緯

一般向けの法律質問応答や文書作成では、法律相談・広告・弁護士の兼職などが争点になった。以下は各資料が扱う時点の経緯であり、韓国の法律AI全体や日本での適法性を判断するものではない。

ディーアール・アンド・アジュ:中断・懲戒と異議申立て

民間では、提供の仕方が争点になった例がある。法律事務所ディーアール・アンド・アジュ(DR & AJU)は、2024年3月に無料の法律質問応答サービスを公開した。同年10月に中断し、11月に弁護士会の懲戒を受け、2025年1月に法務部へ異議を申し立てたと報じられている。弁護士会側は法律相談の規制や「24時間無料AI法律相談」という表示・広告を問題視し、事務所側は一般的・抽象的な法律情報の提供だと反論した。懲戒決定文、異議申立ての最終結果とその後の提供状況は未確認である。[11][12][33]

ロー・アンド・グッド:一般向けから機関向けへの転換

ロー・アンド・グッド(Law&Good)の代表者は、2024年9月の報道で、弁護士会との対立の可能性を考慮し、「ロー・アンド・ボット」を一般向けチャットボットから機関向けの法律AIへ転換したと説明した。こちらは自主的な方針変更として報じられたもので、当局の停止命令を示す資料ではない。[13]

ローフォーム:定型書式による文書作成をめぐる訴訟

また、定型書式への入力で法律文書を作るローフォーム(LawForm)では、弁護士の兼職を不許可とした処分の取消しが、2026年2月の大法院の上告棄却で確定したと法律専門紙が報じた。判決原文は未確認であり、生成AIによる文書作成全般を適法と判断したものではない。[14]これらの事例は、一般向けに何をどう提供するかが問題になりうることを示すが、一般向け法律AI全体の可否を決めるものではない。

補足事例の出典

補足事例の根拠

補足事例の出典一覧を開く
  1. 法律新聞:ローフォームの自動文書作成をめぐる訴訟の確定法律専門紙の報道|2026年3月19日
    根拠箇所:定型書式への入力と、弁護士の兼職不許可取消訴訟。2026年2月12日の上告棄却。
    確認範囲:記事本文は再取得不可。保存済み調査記録の原文引用に依拠。判決原文は未確認で、生成AIによる文書作成全般の適法性を示すものではない。
  2. リーガルズーム:法律文書の要約機能の試験提供提供会社の発表|2023年9月28日
    根拠箇所:主に中小事業者向けのDoc Assistの無料試験提供、法律文書の要約と弁護士へのアクセス。
    確認範囲:提供会社の発表本文を確認済み。文書の要点・重要条項・質問の提示を説明する試験提供時の資料。現在の提供状況は未確認。
  3. 全米州裁判所センター:マイアミの案内サービス「サンディ」裁判所担当者による寄稿|2023年
    根拠箇所:2022年公開の案内型チャットボットと人の対応への引継ぎ。
    確認範囲:保存済み調査記録に依拠。当初の仕組みは質問集と自然言語処理であり、当時の窓口対応件数の変化は生成AIの効果ではない。
  4. 住宅裁判支援団体:住宅修繕の案内サービス「ロクサーヌ」提供団体のサービス説明|掲載日未確認
    根拠箇所:ニューヨーク市の賃借人向け住宅修繕情報。
    確認範囲:提供団体の説明を確認済み。住宅修繕に用途を限定した案内であり、目標精度の達成を裏付ける評価ではない。
  5. 韓国大法院:裁判支援AIの試験公開司法機関の公式発表|2026年2月13日
    根拠箇所:内部基盤、回答に参考判例・法令を添える設計。
    確認範囲:原典本文は再取得不可。保存済み調査記録に依拠。司法内部の試験公開であり、一般向け案内とは対象が異なる。
  6. エルボックス:第3版のサービス構成の更新案内提供会社の更新案内|2026年6月16日掲載/6月29日公開予定の案内
    根拠箇所:検索・AI質問・文書作成の入口と事件単位の管理の統合。
    確認範囲:原典は再取得不可。保存済み調査記録に依拠。機能・画面構成の更新案内であり、精度改善の実績を示すものではない。

出典25は本文にも併載。出典1〜13・15〜25・30〜33は、本文末の出典一覧を参照。